トラベルチーム所属、長崎・佐世保在住のMayumiです。
旅行業に携わるかたわら陶芸の里に近い小さな集落で農家・生産加工、竹林の管理をしています。

先日、デンマークから7名のお客様を地元へ迎え入れ、田舎体験を提供しました。

「タケノコ堀り & 竹炭作り見学」
「地元の米農家が作る羽釜炊きのおにぎりワークショップ＆旬のお野菜天ぷら作り」
「秘密の陶器の里巡り」の3本立てです。

午前中はにょきにょきとタケノコが頭を出すシーズン真っ盛りの竹林へご案内。
山間300ｍにある竹林に到着後は二手に分かれて一方はタケノコ堀り、もう一方は竹炭作りの見学です。
聞くとデンマークには山がないらしく、一番高い山（丘？）で170メートル程度だそう。

それもあってか皆さん山からの景色にもとても喜び、夢中になってタケノコ堀りを楽しんでいました。
1本でもハードなのに気が付いたら皆どんどん自発的に次のタケノコを掘っていて農家の私もびっくりです笑

一方で竹炭作りの見学を楽しむ面々。
竹炭には調湿、消臭、土壌改良、河川の水質改良など、様々な効果があり国内外でも高い評価を受けています。

竹炭作りの職人の友人が急遽目の前で竹炭を作ってくれる事になり、竹がバチバチと燃える中、皆さん職人の話を熱心に聞いています。

せっかくなので小さな巾着袋に新鮮な竹炭を入れてプレゼント。
永久的に除湿・消臭効果があるのでスーツケースに忍ばせるのがお勧め。

さて、次は「地元の米農家が作る羽釜炊きのおにぎりワークショップ＆旬のお野菜天ぷら作り」です。
自然栽培でお米を育てている農家さんがお客様の目の前で羽釜の薪に着火。
昔のライスクッカーは外国の方だけでなく日本人にとっても珍しく、今では使わなくなった器具に皆で興味津々。

着火後はご飯が炊けるまで少し時間がかかるので、その間に「秘密の陶器の里めぐり」です。

長崎・平戸藩のおかかえ窯だった三川内焼きは採算度外視で作られ卓越した技術による質の高さを誇ります。

藩への献上する為に作られる美しい陶器の数々は、販売を禁止された非売品であり、その技術は門外不出です。
陶器と言えば有田や伊万里が注目されがちですが、三川内の里は知る人ぞ知る隠れスポットなのです。

豊かな田園風景を抜けると隠れるように小さな里があり、そこには静かな時間が流れています。
里一帯を独り占めしているかのような贅沢な時間は訪れる人達を魅了するに違いありません。

陶芸家の案内による贅沢な里での散策を終え、戻る頃には美味しいご飯が炊けています。

おにぎりは梅干し（チャレンジング！）、おかか、チーズ、ツナマヨ、を具材に2つ握ってもらいます。
思いのほか梅干しを手に取る人が多かったのは驚きですが、一番人気はツナマヨでしょうか。

やはり三角に握るのは難しかったようで、お米がボロボロこぼれたり、手のひらにご飯粒がくっついたり、苦戦している姿を見てつい自分が握りたくなってしまいましたがそれでは体験になりません。
奮闘しつつ米農家さんの指導のもと、皆さんとても楽しそう。

もうひとつのメインディッシュ、天ぷらは旬野菜を7種ご用意。
好きな具材を選んでもらい、衣をつけるところからチャレンジです！
中でも「タケノコ」は大人気。

揚げたての天ぷらを食べ終わる頃にはかなり満腹になり、出し巻きタマゴも用意していましたが「もう入らないよ！」とのことでした笑

最後はお抹茶と茶菓子で一息ついてツアーは無事に終了。

朝から盛りだくさんの1日でしたが、中でもタケノコ堀りが印象に残ったとのご意見を頂きました。

実際にツアーを提供してみて感じた事は、普段自分達が当たり前に過ごしている事は海外の方にとっては非日常。
日常の至るところにまだまだ気づいていない魅力的なコンテンツの種が散らばっていると感じます。

まずは自分がその土地やそこに住む人々のポテンシャルと魅力に気づく事。
そしてその良さをたくさんの人に知ってもらいたい。
この思いがハートランドで日々働く機動力だと改めて気づきました。

次は平戸を開拓しようと目論んでいます。
西九州への誘致に向けて、小さな一歩を踏み出した今回のツアーなのでした。

最後に本ツアーに参加してくれたデンマークの皆様、本当にありがとうございました。

好奇心が旺盛で積極的に旅を楽しまれる姿がとてもチャーミングでした。
地元の皆にとっても、皆さんと過ごした1日は忘れられない1日となった事は言うまでもありません。