3月24-27日まで長野県東北信エリアのAT(アドベンチャーツーリズム)コンテンツ満載のFAMトリップに参加してきました。
ラグビーなどスポーツの高地トレーニングの盛んな菅平高原は、大笹街道という善光寺から中山道へのバイパスが通り、北国街道よりも距離が短くなり、経費削減にもつながるということで江戸時代から栄えた街道です。

やはり雪の多い地域。
危険な個所も多々あり、亡くなった旅人へ弔いと、安全祈願の道標が置かれ、今も町の方がその古道をきちんとメンテナンスされているとのことでした。
その道をスノーシューしながら、歴史まで学べるという楽しいだけではないコンテンツでした。


1日目はその善光寺の39ある宿坊のひとつに宿泊。翌朝のお朝事(おあさじ)と呼ばれる夜明けと共に始まる朝のおつとめは感動的でした。

地元の素晴らしいガイドさんによる丁寧な案内はまさに仏教の説法レベル。
善光寺は天台宗と浄土宗の両宗派で運営されてはいますが、無宗派の寺院で、昔から宗派・性別・身分を問わず誰でも参拝できたとのことです。
女性の参拝も許されていたことから、<伊勢参りは男旅、善光寺参りは女旅>と言われていたそう。
こうした日本の宗教観、地域ごとの巡礼のあり方の違いを感じることができる点も価値だと思います。

ちなみに現在も、天台宗側の運営施設<大勧進>のご住職は男性、浄土宗側の<大本願>のご住職は女性と、何とも素晴らしい平等世界がここにはあります。
仏様の前では、みな平等。
先祖に感謝して、心正しく生きなさいという教えに涙が出そうになりました。
こういった日本人の精神性、信仰心も価値として旅行サービスでは伝えていきたいものです。

なお、この地域にはぜひとも歩きたいいいトレイルがあります。
善光寺から戸隠を繋ぐ、2日間かけて26キロほどを歩く、戸隠古道トレイルです。
心を磨いていただいた後、歩いて苦労した後に、あの戸隠の杉並木を見る…という事は、想像しただけでも期待に震えます。

2日目はアートに浸る旅。小布施にて葛飾北斎の八方睨み鳳凰天井画を見学した後は、北斎の富嶽三十六景を飲み物を楽しみながら自分なりにアクリル絵の具で描くアートコンテンツ。
北斎の構図はいかに計算されたものかを実感することができます。
絵師の世界観を体で感じることができるわけです。

まさにアートの街に仕上がってる小布施は、商店のみならず一般の人の家の庭も誰でも通り抜けられ、庭園を楽しむことも出来るオープンガーデンの街。
ガイドさんの案内で初めて細部にまで美しく計算された街づくりについても学べ、この街を旅する上でのガイドの必要性を実感しました。

最終日は地獄谷野猿公苑と野沢温泉訪問。どちらも外国人の訪問が多く、もはや日本の中の異国状態。
少々ツーリスティな印象は拒めないものの、皆さんの楽しまれている様子を見て、うれしくなるのは職業病です。
私たちのミッションは日本の地域のファンを作ること。
それを地域活性化に活かすこと。
こうして日本の地域のファンが増えていくことは本心からうれしいものです

飯山の駅にはトレイルの情報を得たり、スキーやトレイル用のウェアもレンタル可能なアウトドア専門のアクティビティセンターもあったり、グルテンフリー専門店も出来たりしているなど、国内外の旅行者の受け入れ環境の整備がかなり進んでいました。
こうやってまずは需要のあるところから徐々に受入環境の整備が始まり、それがやがて日本全域に広がっていく。

ベジタリアンや、グルテンフリー食がメニューにある地域はまだ日本では稀ですが、このような取り組みが全国的に広がり、一般的になることを私たちは望んでいます。
インバウンドのお客様の満足度を高め、地域のファンを作ることに我々は今後も尽力してまいります。そのための地域を応援する活動も行ってまいります。