この度、木曽町より受託した「令和6年度旧⾶騨街道・城⼭史跡の森ウォーキングルート情報発信事業」におきまして、第一回現地調査を10月20日(日)〜10月23日(水)の4日間で行いました。
今回の事業の目的は、近日課題となっている特定ルートのオーバーツーリズム解消、そして木曽福島に眠る「失われかけた本来の飛騨街道」を実際に歩き、周辺の宿や観光、食事事情などを加えたウォーキングルートを発信するため。加えて誌面とデジタル版のマップ作成も行うことで、需要が高まる旧飛騨街道に貢献する方針です。
今回はその旧飛騨街道を広めるため尽力されている通称中山道モンスター、ガイドの輿(こし)氏とともに丹念に確認しました。
木曽町は昔の姿を継承した建物や水汲み場など、その歴史を残す場所が点在し、すでに知られている中⼭道と肩を並べる観光資源が詰まっています。
今回は2日間で4つの峠を越える踏査でしたが途中で出会う景色すべてが素晴らしく、時折御嶽山が見える場所もあります。
旧飛騨街道は整備が入っている道もあれば、草が生い茂り、道なき道となり、人々の目に触れる事がなくなりかけた場所も存在します。その失われかけた本来の姿を導いてくれるのが石仏群です。
実は旧飛騨街道に残る石仏群は多くの場所に点在し、その歴史ストーリーを辿るのも、興味を惹く一つになるのでは、と思っています。
かえでの木とたらの木が絡み合った「縁結びの木」のそばには悲話が残る石仏も添えられ、その言い伝えに思いを馳せる場面もありました。
ほかにも有志の方が編んだ赤い毛糸の帽子を被ったお地蔵様が見守る地蔵峠、天空の里とよばれる場所で出会える石仏をめぐる旅など見どころが沢山です。
このようにはるか昔の人たちが峠を越えるためにこの道を歩いた事実を、石仏群を、そして開拓した人たちの想いを受け取り、世に出すためにできることを尽力して参ります。