無名地域の世界での戦い方 Vol.4

2019年、ラグビーワールドカップに日本中が沸きました。

高校時代にラグビー部に所属した経験(高校自体に行かなくなってしまったため、結局、夏合宿まででしたが)がありましたし、紳士のスポーツであるラグビーの世界観は、つい私の胸を熱くさせます。

オールジャパンが世界ランク2位のアイルランドと対峙する直前の控え室で、ジェイミー・ジョセフ|Jamie Joseph(ヘッドコーチ)が、選手たちを、この俳句で鼓舞しました。

No one thinks we can win

No one thinks we can even come close

No one knows how hard you’ve worked

No one knows how many sacrifices you’ve made

You know you’re ready

とても素敵な英語なので、私はこれをすぐに暗記しました。

試合後、充実感に満ちた田村優選手が、この俳句を日本語のインタビューで口にしました。

「誰も勝つと思ってないし、

誰も接戦になるとも思ってないし、

僕らがこんなに犠牲にしてきたかもわからないし、

信じているのは僕たちだけ

っていうメッセージがあって、

その通りになったと思います」

アイルランド戦の前の光景を想像しながらこれを聞くと胸が熱くなります。

再度忠実に訳します。

誰も勝つなんて思ってない

誰も接戦になるとすらも思ってない

誰も僕らがどれだけのハードワークをしてきたかなんて知らない

誰も僕らがどれだけのことに犠牲を払ってきたかなんて知らない

僕らは知ってる、勝つ準備ができていることを

じーんときます。

日本のサッカーも20年、30年前まではそうでした。

ワールドカップにすら出たことがなかった日本人には難しいとされるフィジカルなスポーツでした。

ラグビーはそれに遅れること数十年、前回2015年の南アフリカ戦に端を発し、今回の2019年は、ベスト8に食い込むなど、世界における日本のプレゼンスを見事に示しました。

今、私たちは、ゴールデンルート以外の無名地域を世界ブランドにする活動をツーリズムという方法を使ってチャレンジしています。

ゴールデンルートは、ラグビーでいうティア1のチームのように、世界中の観光客を今も膨大な数、引き込み続けるパワーを持っています。

またニセコ、中山道(木曽路)・飛騨高山・白川郷・金沢、熊野古道、沖縄、直島などは、その次のレイヤーに位置するティア2です。

我々が今、ツアー造成を行い、体験やふれあいを重要視する次世代型のアドベンチャートラベルで魅力を顕在化している地域は、ティア3です。

阿蘇、萩・津和野、出雲・石見銀山・江の川、津軽・下北などです。日本人にとっては身近でも、外国人の99%は、これらの日本の著名な観光地を知りません。ティア1しか知らないというのが現実なのです。

私の思いは、このティア3に属する日本の地域が、ティア2、ティア1にも負けないデスティネーションになることです。

マスのマーケットは狙っていません。ニッチでいいのです。そのかわり本当に我々ハートランド・ジャパンのミッションに共感してくれ、そこに価値を感じてくれる顧客が我々が狙いたい顧客です。我々が扱う地域に価値を感じてくれ、それを自国に持ち帰って、そしてその人の一生の思い出として刻まれる。

そんな日本の地域体験を提供していきたいと思っています。

ふるさとを世界と分かち合う

ハートランド・ジャパン

リベルタ株式会社

澤野啓次郎

【Ehime Kurushima-kaikyo-ohashi Bridges, from Mt. Kiro】【Gunma Carp Streamers, Akaya Lake】【Yamaguchi Farmer in Higashi-ushirobata Rice Terrace】
【Hiroshima Streetscape of Yutakamachi-Mitarai】【Niigata Wakabayashi-tei House】©経済産業省、【表示4.0 国際】ライセンス https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/