弊社は、鹿児島オフィスを開設し、鹿児島県(薩摩半島10市町)での農泊事業をスタート、この度、その予約受付を開始することをお知らせします。
2000年からいち早く鹿児島県で農泊事業を展開し、全国から多くの視察団を受け入れるなど、日本の農泊普及に貢献し、業界をリードしてきたNPO法人エコ・リンク・アソシエーション。この度リベルタ株式会社は、そのNPO法人エコ・リンク・アソシエーションの取扱い地域であった薩摩半島の教育旅行民泊受入を承継し、次世代型の農泊事業を創り上げることに今後注力します。
今年度においては、コロナ対策に配慮した形で、まずは体験活動を中心に受付を開始、コロナ収束後には宿泊を伴う体験活動再開を目指して取り組んで参ります。
2021年9月以降の催行分より、まずは、日中の体験活動のみの仮予約受付を開始します。なお、仮予約の受付は2021年5月1日からとなります。
- 民泊受入地域は、薩摩半島(10市町)にて受付開始
民泊受入地域は、下記の地図の通り薩摩半島(10市町)を予定しております。
<北薩エリア>
【7】薩摩川内市
【8】さつま町
【9】伊佐市
【10】湧水町
<中薩・南薩エリア>
【1】南さつま市
【2】枕崎市
【3】南九州市
【4】日置市
【5】いちき串木野市
- 鹿児島の民泊は、「家族」としてお迎えします。
鹿児島の民泊では、恵まれた自然環境の中で、農業や漁業体験、魅力ある自然や歴史の体験学習など、都会では味わえない様々な体験を行うことができます。また、民泊家庭は、一人一人を「家族」として受け入れます。素朴で心温かい人と人との交流を通じ、その家庭が「第二の家族」となり、鹿児島が「第二の故郷」となることを目指します。
- 民泊受入地域の課題を解決します
鹿児島の民泊は、NPO法人エコ・リンク・アソシエーション(2020年解散)により、平成16年に2校(360名)を受け入れたことから始まりました。その後、平成23年に九州新幹線全線開通をきっかけにピーク時には、約2万人の中高生たちを受け入れていました。しかし、現在は、受入人数は減少傾向にあり、農泊の需要はあるのに、その受入ができないというジレンマに直面しています。
その理由としては、他地域との競合や平成28年の熊本地震、新型コロナウィルスの影響もありますが、20年の時を経て受入家庭が「高齢化」した結果、受入人数のキャパシティが減少してきていることが挙げられます。
一方で鹿児島県は、南北600キロに及ぶ多彩な自然、温暖な気候を利用した農業・畜産業、明治維新の地、戦争遺産、ロケット発射場、アウトドアアクティビティに適した海山川の数々のフィールドなど、多くの魅力が詰まっています。
リベルタ株式会社は、今あるこれらの課題を解決し、この鹿児島の本来の魅力を多くの人達に体感してもらうために、鹿児島民泊の新たな形を創ることにコミットします。
具体的には、下記の5つの課題解決に取り組みます。
1)体験料金を改定し、受入家庭への収入アップ、持続可能な料金体系を目指す
2)30代、40代を中心とした若い世代の受入家庭を増やす
3)10,000社以上の海外の販路を活かし、インバウンド(海外の学校や個人)顧客を受け入れる
4)自然、異文化、交流を通じて自己変革やチームビルディングを図るアドベンチャー体験を取り入れる
5)SDGsに取り組み、世界基準の農泊を目指す
1)料金改定
リベルタ株式会社は、消費税増額や世界的に求められるSDGsなど、世の中の潮流を鑑み、体験料金を改定することで、受入家庭の負担を減らし、継続的に、意欲的に民泊を行えるような組織体系を目指します。安定的な収入を得ることは家庭の維持、増加、受入地域の活性化につながります。こうした受け入れ側の意欲の持続を図るため、送客側の旅行会社や学校からの価格改定の理解を得るべく、啓蒙活動と付加価値の向上の取り組みを行ってまいります。
2)新世代
現在、受入家庭は、民泊開始当初から受入を行ってきた家庭(70代~)が中心となっています。しかしながら、2020年より続くコロナウィルスの影響により、半数近くに減少してしまいました。受入家庭減少を解決する為、30代、40代の若い世代の受入家庭を民泊家庭として取り込むことを目指します。具体的には、農泊受け入れの魅力を幅広い世代、多くの世帯に知ってもらうため、SNSを用いた情報発信、交流イベントの開催など、30代、40代の家庭のネットワークづくりに注力してまいります。
3)インバウンド
鹿児島県では教育旅行民泊に限り、県の農山漁村生活体験学習に係る取扱い指針を遵守することで旅館業法の許可を持たない家庭も安心安全に教育旅行民泊を受け入れています。コロナウィルス収束後のインバウンド需要回復を見据え、農家民宿営業許可を持つ家庭を増やし、国際交流も促進する形で、鹿児島県の観光推進に寄与いたします。なお、リベルタ株式会社は「Heartland Japan」(ハートランド・ジャパン)というブランドで、「知られざる日本」のアドベンチャー型の体験旅行を世界に向けて提供しており、コロナ以前には、年間4,000人泊以上のインバウンド顧客の誘客を行っていました。今後は農泊で培った国内旅行会社のチャネルに加え、海外の販売チャネルでも農泊を流通させることで、世界の鹿児島ブランドを創ってまいります。
4)アドベンチャー
「Heartland Japan」は、2017年から「Off the Beaten Path Destinations」(知られざる未踏の日本)に顧客を誘致すること腐心してきました。地域にある自然や歴史の資産をアドベンチャーツーリズムの要素を取り入れた体験商品として提供することで、従来型のバス観光などマスツーリズムとは一線を画した取り組みをしてまいりました。
アドベンチャートラベルの形態を好むトラベラーは「本物志向」の価値観を持っています。御膳立てされた商業観光ではなく、「ありのままの日本を知りたい」「自分たちにとって意義があることにお金を使いたい」という志向性の持ち主です。そういうアドベンチャー志向の顧客像には、ありのままの日本人の暮らしぶりにどっぷりと浸かり込むことができ、地域貢献までできるという意味で、農泊は絶妙の相性となります。
また、海外のファームステイではハイキング、カヤッキング、サイクリングやフライフィッシングなど、アドベンチャー体験を組み合わせたサービスを提供している業者も多く、今後、それが日本でも新しい農泊事業のあり方になってきます。ハートランド・ジャパンでは、いち早く、こうした次世代型のファームステイのあり方を鹿児島のフィールドで実現します。
なお、教育旅行は、学生だけでなく、企業の社員教育にもうってつけです。異文化体験やアウトドア体験を通じて、新しい自分を発見することで自己成長につながったり、苦労の共通体験をすることでチームビルディングにも役立てられたりするなど、その体験効果は大きいです。「何かにチャレンジし、達成感を味わうこと」がアドベンチャーにおいてはコアバリューとなります。冒険心、自己探究心、知的好奇心、自己変革などをキーファクターとして、適切にマーケティングしていくことに今後取り組んでまいります。
5)SDGs
2030年までに実現が望まれる持続可能な未来のために、農泊と関連の深い下記7つのSDGs目標実現に貢献していきます。今、欧米では「サステイナビリティ」が重視されており、その配慮がない旅行商品は買わない、という意識の高い顧客が増えてきています。SDGsの2030アジェンダに謳われているような「サステイナビリティ」「エコフレンドリー」「ローカルベネフィット」は必須要素。さらには「地域の歴史や文化の伝道」「伝統工芸、伝統芸能、伝統的な暮らし方の継承」など、単純な商業路線とは一線を画した新たな価値観に基づいた体験が求められています。弊社は、こうした社会の価値観の動きに適合した農泊のあり方にチャレンジします。また、CSRに意識の高い企業向けには、法人向け農泊体験パッケージも提供する予定です。SDGs要件を満たす自然体験や地域貢献活動のプログラム提供を法人向けに行い、映像や記事により記録することに加え、併せてその活動を提携メディアやSNSを通じて情報発信することまでを担うことで、企業の価値向上の一助となることを目指します。
リベルタ株式会社は、先ずこれらの課題解決に優先的に取り組むことで、持続可能な世界基準の農泊体験を目指してまいります。
- 農家さんたちの「生きがい」こそ本質
鹿児島の農家民泊の先駆者であるNPO法人エコ・リンク・アソシエーションは、これまで農家さんたちの生きがいを創ることをミッションに20年間地域に貢献してきました。
日々の農作業が中心の暮らしの中にあって、農泊は宿泊者側だけでなく、受け入れ家庭側にとっても「非日常」の体験となります。それは単調になりがちな暮らしの中では「生きがい」となり、「明日への活力」となります。
結果、農泊の受け入れ体験は、農家さん自身が自分の仕事に誇りを持つ、自分たちの郷土に誇りを持つ、ということにもつながってきます。農泊を受け入れるという体験は個人の生きがいだけでなく、地域住民のシビックプライド醸成にも効果を発揮するのです。それだけ農泊は、地域に好循環をもたらす体験プログラムと言えます。
これらの社会的な意義も見据えて、リベルタ株式会社はNPO法人エコ・リンク・アソシエーションの意思を受け継ぎ、農家さんの生きがいを創り続けるため、今後、次世代型の農泊体験を提供してまいります。