熊野古道伊勢路ロングストーリー・モニターツアー

11月7日から11月18日の12日間に渡る熊野古道伊勢路のロングストーリーのモニターツアーが完了しました。

今回は、12日間の旅程で作成されたツアードラフトを実踏で検証することを目的とし、ドイツ、アメリカ、イギリス、アルゼンチンなどからモニターを招請してのツアー実施となりました。

大杉谷自然学校、東紀州地域振興公社などから構成される熊野古道伊勢路プロジェクトが母体となり、地域のサプライヤーやガイドグループなどの協力を得ての実施で、弊社は商品化とその販売・催行の役目を担っております。

コンセプトは、江戸時代の庶民の巡礼の追体験。

熊野古道には大辺路、小辺路、紀伊路、伊勢路などいくつかの巡礼ルートがありますが、その中では中辺路の知名度が圧倒的に高く、すでにオーバーツーリズムの様相を呈してきています。和歌山県田辺市を起点とする中辺路ルートではハイカーたちが爆増していて宿が取れず、路線バスも外国人客でごった返しています。

中辺路は平安時代に貴族が歩いた道で京都・大阪などからも比較的近く、滝尻王子~熊野本宮大社の約38km を歩くコースが手頃で人気です。海外の人気ガイドブック「ロンリープラネット」にも掲載されており、かつ、カミーノ(サンティアゴ・デ・コンポステーラ)との共通御朱印帳も発行されるなどしていることから、海外での知名度も人気も高い状況です。

一方の伊勢路は伊勢神宮と熊野三山(那智大社)の2つの聖地を結ぶルートで全長は170kmに及びます。こちらは江戸時代に人気に火が付いたルートで、庶民たちが「生まれ変わった来世には、よりよく生きたい」「健康に生まれたい」と祈りを込めて歩いた道です。お伊勢参りを終えた巡礼者が次に向かう西国三十三所へ旅立ちための「滑走路」の役割を果たしていたとも言われています。

しかし伊勢路は残念ながら知名度がまったくありません。海と山のコントラスト、庶民の暮らしぶりなどに触れることができ、石畳の道も美しく保全されていますが、いまだにそこは未踏の地となっています。それが課題でもあり、チャンスでもあります。

今回のモニターツアーの後は12月にFAMツアーがあります。海外からAT(アドベンチャートラベル)のエージェントやコンテンツクリエイターを招請して、12日間の日程で実施されます。弊社は、その海外側のコーディネートを担当し、その後は伊勢路商品の販売チャネルとなります。

こうした地域の資源を発掘し、価値を見つけ出し、世界に継承していくのが私たちです。

【Ehime Kurushima-kaikyo-ohashi Bridges, from Mt. Kiro】【Gunma Carp Streamers, Akaya Lake】【Yamaguchi Farmer in Higashi-ushirobata Rice Terrace】
【Hiroshima Streetscape of Yutakamachi-Mitarai】【Niigata Wakabayashi-tei House】©経済産業省、【表示4.0 国際】ライセンス https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/