長野県伊那地域でのインバウンド受入整備事業

昨年のアドベンチャートラベル事業に引き続き、今年も長野県伊那地域のインバウンド事業開発に勤しんでいます。

今年は、大きく 1)伊那地域(上伊那)、南信地域(下伊那)、木曽地域の3エリアの広域連携 2)長野伊那谷観光局(DMO)のToT(Training of Trainers) 3)伊那谷エリアの販売促進支援活動 を実施しています。

3エリア連携は、Kiso Valleyとして先行して欧米市場から認知が高く、多くのハイカーが訪れている木曽エリアと、そしてリニアモーターカーの開業により長野誘客のゲートウェイとなることが期待される飯田エリア、2つのアルプスに挟まれたユニークな地形による多彩なアウトドアフィールドと里山の文化が色濃く残り、日本を代表するアウトドアマンが結集する伊那谷エリアの3エリアの連携を図る取り組みです。

ToT(Training of Trainers)は、いわゆる「研修サイクルマネジメント」の手法を用いた「指導者研修」で、ATガイド研修の計画立案、実施、評価、改善点の洗い出しに取り組み、事業終了後の、ATガイド育成活動の持続可能性を高めることを目的としています。授人以魚 不如授人以漁=「人に魚を授けることは、漁の仕方を教えるに及ばない」という考え方に基づき、指導者を育成することが、地域に持続的に人材が育っていくことにつながるという考え方により、これまで日本のインバウンドツーリズムの人材不足の課題を解決しようと取り組んでいる事業となります。つまり飢えている人がいた場合に魚を与えるのではなく、魚の捕り方を教えるのがあるべき姿、という方法論です。今年度は長野伊那谷観光局様を対象としたATガイド育成プログラムを実施しています。

3つ目は販促支援です。エキスポへの出展、ATWS(Adventure Travel World Summit)での売り込み、旅行会社を招いてのファムツアーの実施、ニュースレターの配信、ソーシャルメディアを通じた認知拡大活動、映像制作とその配信の実施がその内容です。アドベンチャートラベルといえども、海外の潜在顧客や旅行エージェントはいまだにゴールデンルートしか知らないという現状がある中、こうしたオルタナティブなデスティネーションを認知させるためのエデュケーションは必要不可欠です。まずは「人に魚を授けることは、漁の仕方を教えるに及ばない」ではないですが、まずは「指導者」(海外のエージェント)の日本に対するリテラシーを高めることが、現在我々がなすべきことです。海外のエージェントを通じてもっと多様な日本の地域のデスティネーションをプレゼンすることが、地域誘客につながるということです。

ハートランド・ジャパンの存在意義はそこにあります。

【Ehime Kurushima-kaikyo-ohashi Bridges, from Mt. Kiro】【Gunma Carp Streamers, Akaya Lake】【Yamaguchi Farmer in Higashi-ushirobata Rice Terrace】
【Hiroshima Streetscape of Yutakamachi-Mitarai】【Niigata Wakabayashi-tei House】©経済産業省、【表示4.0 国際】ライセンス https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/