三江線沿線のインバウンド観光開発

 弊社インバウンド事業のブランド「ハートランド・ジャパン」(リベルタ株式会社)では、2018年1月から三江線沿線のインバウンド観光開発プロジェクトに携わらせていただいております。

 

 三江線は、島根県の江津と広島県の三次を結ぶJR西日本の鉄道路線です。しかしながら、2018年3月末を以って、同鉄道は廃線となりました。

 

 当該地域は、江の川という川の流域に人々のユニークな営みがあるエリアです。弊社では、この江の川エリア(三江線沿線)をアドベンチャーツーリズム(ウォーキング、ハイキング、カルチュアル、エコなど…)のメソッドを用いた、「川とともに生きる人々に会いに行く」「神話のふるさと」「石見神楽」などというテーマを持たせることがインバウンド観光開発の軸になると考えています。具体的な方法としては、出雲と広島をつなぐルート開発をしたいと考えております。

 

 Heartland Japanは、西洋の富裕層向けに、地方の美しい集落を巡るアドベンチャーツアーを提供するグラウンドオペレーターです。アウトドア好きで、知的好奇心が旺盛な西洋人向けに「本物の日本」を知ることができる体験型のツアーが特徴です。
お膳立てされた観光ではなく、「ありのままの日本」「飾らないディープな日本」を知ることができる点が最大のポイントです。
ツアー参加者は、古くからの日本臭さが残る地方の集落をゆったりと周遊。体験と学習、地域の人との交流を繰り返しながら、日本という国を、頭と体で快適に学んでいきます。

パッケージツアーの構成要素は以下のとおりです。

ツアーの参加価値(構成要素):
1. ローカルの人に出会える(地域の人との交流)
例:神楽、漁師歌舞伎などの鑑賞。温泉、温泉クッキング、漁船、お茶、陶芸などの体験。酒蔵、醤油蔵、どら焼き屋などの見学。農家、川漁師との語らいなど…。

2. 知的好奇心が満たされる(高品質のガイド)
例:日本の歴史、文化、地域特性、社会課題、日本人の宗教観、美意識、精神性、暮らしぶりなどが、西洋人にも分かりやすく説明される。

3. 豊かな自然を堪能できる(アウトドアアクティビティ)
例:街道、巡礼路、城下町、トレイルのウォーキング、ハイキング、トレッキング、カヌーイングなど…海、山、川、町の体験。

4. 快適な宿泊施設と食事を楽しめる(快適性)
例:快適な旅館、民宿、農家民泊、ホテルを飽きが来ないようバランスよく組み合わせ。また、ローカルの食堂で地元民と同じように地元食を堪能するなどディープな体験も提供。

 

 日本の文化は、地域毎に多様な側面を持っており、話す言葉、食事も地域毎にかなり異なります。約150年前の江戸時代には約260もの藩と言われる小さな国の集合体でした。東西南北、内陸沿岸などという地理的な違いから来る人々の暮らしぶりの差異。そんな固有の地域に数千年に渡り上塗りされてきた歴史、文化。更にそこに四季の変化が加わるので、とても多彩な国と言えます。
この地域毎の多様性あふれる「本物の日本を巡る冒険」に、私たちが外国人観光客を誘う(いざなう)。それが私たちが提供するサービスの価値です。

 

 

 

また、Heartland Japanは、観光の本質を「異世界を人生に取り入れること」だと考えています。それはその国を真に理解することから始まります。
ただ残念ながら、世界でオファーされている現在の日本の観光目的地は、東京・富士山・京都・広島などゴールデンルートと言われる一般的なエリアに限られています。
そのような定型化された観光地には、観光客が集中するため、どこも混雑。せっかく訪れたのにゆったりと楽しむことができなくなっている現実があります。また、当然そのようなごく限られたステレオタイプなルートの周遊だけでは「本当の日本」は理解できませんし、異文化体験も十分にはできません。日本の真の姿は多様なのです。
また一方で、旅慣れた世界のツーリストは「本物の日本」を求めています。誰もが行くアイコン的な観光地や、ガイドブックで定番的に紹介されている商業化された日本だけではなく、「知られざる日本」を知りたい、未だ観光開発されていない奥地に足を伸ばして「ユニークな体験」をしたい、地元民と触れ合いたい…など、物質的で表面的な消費観光ではなく、精神的な満足感を重視しています。
つまり、より「本物志向」が高まっているのです。
しかしながら、今の日本の観光商品にはそれに応えるべく、多様性溢れる奥深いコンテンツが提供されていません。
Heartland Japanは、田舎を題材としたアドベンチャーツアーにより、これらの課題を解決します。

 

自国とは違ったお膳立てされていない本物の異文化体験を通じて、日本という国を真の意味で理解するためには、一般化された観光地や主要都市を訪れるだけでなく、個性豊かな地方も併せて訪れることが必要です。
地方に足を運び、昔ながらの景観が残る美しい集落の街並みや、豊かな自然に触れ、さらに地域の人々の暮らしぶりを垣間見ることで、ようやく立体的に真の日本の姿が見えて来ます。
私たちが目指すのは「一生の記憶に残る異国体験」です。それは、地方を訪れ、人との交流し、自然や文化を体験し、歴史を学ぶことで、お膳立てされていない「ありのままの本当の日本の姿」を知ることで実現されます。
Heartland Japanは、それらの体験を「快適な旅の商品」として、本物を求める目の肥えたツーリストに提供します。
ミステリアスな日本。地域性あふれる日本という国を世界に伝えてまいります。

 

今後も、江の川流域に外国人観光客誘客し、地域に観光産業を根付かせるべく、尽力してまいります。

 

 

プロジェクト委託元:株式会社エブリプラン

 

*メインビジュアルの「手」の写真は、江の川流域で川漁師(鮎漁)を数十年に渡り続けられている天野勝則さんの、歴史が刻まれた手のひらの写真です。

【Ehime Kurushima-kaikyo-ohashi Bridges, from Mt. Kiro】【Gunma Carp Streamers, Akaya Lake】【Yamaguchi Farmer in Higashi-ushirobata Rice Terrace】
【Hiroshima Streetscape of Yutakamachi-Mitarai】【Niigata Wakabayashi-tei House】©経済産業省、【表示4.0 国際】ライセンス https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/