【所感】出雲・石見_海外向けPV取材にて(0823-0824 ’18)

日本のアドベンチャーツーリズム今が黎明期

島根県の江の川流域をアドベンチャーツーリズムの文脈で旅行商品化。

マスツーリズムと違って、ニッチではあるが確実に需要があり、市場も育ってきている欧米流のアドベンチャーツーリズム。そのメソッドで日本の田舎を世界に売り込む。外国人観光客を地方に誘致する。これが僕のハートランド・ジャパンのミッション。アドベンチャーは自然が題材だから地方と相性がいい。

 

 

 

僕らは地域に今あるありのままのコンテンツをパッケージングして快適な旅行商品に。そして世界に販売チャネルを作って誘客することで地域の観光事業者への集客装置になるのだ。

地域に特化した長期滞在型(境域エリア周遊型)のソフトアドベンチャーはまだ日本ではこれから。

今回は石見神楽、石見銀山、出雲大社、江の川とそこに息づく人との出会いなどのリソースを基に、アウトドアアクティビティと文化体験を交えて外客に提供する。

海外営業のマテリアル作成のため、今回はロケ。コンセプトがちゃんと伝わるいいものにしなければならない。

 

 

 

地域、そこに息づく人々こそが伝えていくべき資産

島根県は江の川の伝説の川漁師、天野さんのお話を改めてお伺いしてきた。

川とともに生きる人。川の神、天野さん。

鮎の漁でお子さんを2人も大学に。自らは十数年前から日本画を。頭の中にある記憶を基に絵画を創作。天野さんの画は、数々の賞を受賞し、来月にはルーブル美術館でも展示されるそうだ。天野さんの絵画は本当に懐かしい気持ちを湧かせてくれる。

 

横笛ヒーロー社の船津さんはなんと98歳。石見神楽で使われる横笛の職人さん。寝起きであるにも関わらず、軽妙に横笛の音色(お囃子)を披露してくださった。ただ後継者はいないそうで今後が心配。

森田さんは地元の地方紙の記者を退職され、地元集落の活動に邁進。奥深い江の川流域の郷土史を研究されそれを伝え継ぐ活動をされている。森田さんの話を聞いてしまうと、今見ていたなんでもない目の前の風景が、とてつもなく奥深いストーリーに裏打ちされた「情景」に変化する。森田さんのガイディングはまさに魔術師だ。

 

地方と都会、日本と世界、そんなつまらない垣根なんてない社会を作る。そのためにはどんな地方にも足を運び、郷土の方の話を聞く。郷土の資産を世界視点で見つめ直し、それを世界と結びつける。世界向けにマーケティングし、地域の価値を転換したい。だから是非どこにでも呼んでほしい。

日本の「人」こそが最大の観光資源だ。そういった郷土の人と世界を結びつけるのが僕たちの役目だ。

さらに同時に気づいた。

そもそも今回は同地域のアドベンチャーツアーの海外発信用のプロモーションビデオを製作するする目的なのだが、かなり貴重な映像が撮影できたので、これはむしろドキュメンタリーとしてアーカイブすべきじゃないか。それだけこの地域に生きる人々の記憶、言葉、暮らしぶり、内なる思いが詰まっている。それだけ社会的に意義のある事業と言えるのだろう。

 

 

(Heartland Japan代表:澤野 啓次郎/Keijiro Sawano)

【Ehime Kurushima-kaikyo-ohashi Bridges, from Mt. Kiro】【Gunma Carp Streamers, Akaya Lake】【Yamaguchi Farmer in Higashi-ushirobata Rice Terrace】
【Hiroshima Streetscape of Yutakamachi-Mitarai】【Niigata Wakabayashi-tei House】©経済産業省、【表示4.0 国際】ライセンス https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/